照り焼きブリの秘密

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「ねえ、ここの照り焼きブリ、いつもと味が違う気がしない?」 大学の cafeteria で、友人のわさびがスプーンを止めた。 私も一口、口に運ぶ。 確かに、いつもの甘辛いタレに、妙な酸味と、ん…、何だろう、舌の奥を ピリッと刺激するような、未知の風味が混じっている。 「んー?そうかな?でも、なんか後引く味だよね」 私たちは、その「いつもと違う照り焼きブリ」を、美味いとも不味いとも言えないまま、黙々と食べ進めた。
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怖さを変えて作り直す

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