昆虫館の悪夢

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僕が「チンポンカミキリムシ」の奇妙な生態を調べるために訪れたのは、地方都市にある古びた昆虫館だった。 館内は薄暗くカビ臭い匂いが充満している。 展示ケースには、見たこともないような異様な姿の昆虫たちが標本として並べられていた。 特に、名前の通り、体の一部が奇妙な形状をしている「チンポンカミキリムシ」のコーナーは異様だった。 その標本は、まるで意思を持っているかのように、ケースの中で蠢いているように見えた。 解説パネルには、その生態については「未解明」としか書かれていない。
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怖さを変えて作り直す