バス停に座る影

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バス停に座る影 大学時代、僕たちサークルは毎年のように夏休みに国内を旅行していた。 特に何をするでもなく、ただひたすら移動して、その土地の安宿に泊まり、翌日にはまた移動、という強行軍だった。 2年次の夏、僕たちは四国を一周することにした。 道中、最も印象に残ったのは、ある寂れた国道沿いのバス停だった。 夕暮れ時、そこには一人の老婦人が座っていた。 バスを待っているのか、それともただ休んでいるのか。 僕たちは車内からその姿をぼんやりと眺めた。
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怖さを変えて作り直す

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