ミラーの女

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深夜のドライブ。 大学時代の、懐かしい友人との会話は、夜の闇に吸い込まれていくようだった。 窓の外は、ただただ漆黒。 ふと、隣に座る友人が、微かに震える声で呟いた。 「あれ…なんか、変なもの、写ってない?」 バックミラーに目をやる。 そこに映ったのは、信じがたい光景だった。 後部座席に座っているはずの友人が… いない。 代わりに、車の外、暗闇に溶け込むように、誰かが立っている。 いや、よく見るとそれは… 首のない女だった。 黒い服。 ただ、じっと… こちらを、見ている。
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怖さを変えて作り直す