勝くんの宝物

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近所の森に、勝くんという友達がいた。 小学校に上がる前、まだ友達と呼べる人数も少なかった頃だ。 勝くんの家はうちの隣で、よく一緒に遊んでいた。 あの子は少し変わっていて、一人でいることが多かった。 私たちが鬼ごっこで校庭を駆け回っている間も、彼は校庭の隅にある古いブランコに一人で座っていたり、校舎の裏の茂みで何かを探しているような仕草をしていたりした。
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怖さを変えて作り直す