僕が初めて彼を見たのは、岡山駅前のロータリーだった。 時刻は夜中の二時半、新幹線がとっくに終電を逃した後の、ひどく寂しい時間帯だ。 私は出張帰り。スマホの充電は...
僕の部屋は六畳一間で、窓の外はいつも薄曇りの、いかにも都心のワンルームだった。 壁一面に貼った古い写真と、山積みの漫画雑誌が、僕の生活の全てを物語っていた。 特...
夜勤明けの私は、妙に肩が軽いのを感じていた。 いつものように最寄り駅の改札を抜け、スマホのニュースフィードを開く。 昨日からSNSで話題の、奇妙な現象についてだ...
僕は都内のとある私立博物館で、資料整理のアルバイトをしていた。 仕事は地味で、誰も見向きもしないような古文書や、地域の歴史に関する遺物を黙々とスキャンし、デジタ...
実家の母が送ってくれるクール便の段ボールを開けるのは、いつも決まった儀式だ。 まず「お弁当のだし巻き卵のうらみ」という奇妙な名前のメモが目に入る。 母は昔から...