モンキー料理の晩餐
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モンキー料理
それは、恐怖の幕開けだった
大学時代の友人の結婚式。
久しぶりに会った旧友たちと、懐かしい話に花を咲かせていた。
二次会は、都内の高級ホテルのラウンジ。
そこで、
俺たちは、一人の旧友と再会した。
田中。
卒業後、一切連絡を取らなくなった、いわゆる「音信不通」の男。
なのに、まるで昨日のことのように、そこにいた。
しかも、場違いなほどに場慣れし、
周囲を操るかのような言動。
皆、戸惑いを隠せない。
「いやー、久しぶり!みんな元気にしてた?」
満面の笑みで話しかけてくる田中。
だが、その目は笑っていない。
むしろ、獲物を見定めるような冷たい光を宿している。
話題は、自然と最近の出来事へ。
仕事の愚痴、恋愛の悩み。
皆がそれぞれに語り始める。
田中は、頷きながら聞いているが、
時折、意味深な沈黙を挟み、皆の顔をゆっくりと見渡す。