点滴の夜

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大学病院の個室で目を覚ました。 昨夜、急な発熱で運ばれたらしい。 点滴の管が腕に繋がれていて、ぴくりとも動かせない。 窓の外はもう真っ暗だ。 「気分はどう?」 看護師が戸棚から何かを取り出している。 「少し、だるいだけです。ありがとうございます。」 彼女はこちらを向かない。 背中越しに、こちらを見ているような気がする。 何か視線を感じる。 気のせいか。
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怖さを変えて作り直す