粘液の残響

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「おい、こっちだ。 もうすぐ搬送部隊が来る」 減衰した通信機から聞こえる声は、ノイズ混じりで聞き取りづらかった。 俺は、泥濘に足を取られながらも、仲間の声がした方向へ必死に走った。 第二次星間戦争341戦闘領域fフィールド。 ここは文字通りの地獄だ。 砲撃とレーザーの残光が、視界を遮る灰色の雨に紛れて瞬いている。
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怖さを変えて作り直す

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