幸福の町

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僕の人生は、どこにでもあるような、平凡で退屈なものだった。 都内の中小企業に勤め、毎朝満員電車に揺られ、週末はコンビニ飯とドラマ。 そんな僕に、ある日突然、奇妙なメールが届いた。 件名:【重要】アフリカホームタウン計画にご招待 差出人:首相官邸広報室 「拝啓、〇〇様。 この度、我が国が推進する『アフリカホームタウン計画』のモデル地域視察に、〇〇様のような一般市民の代表としてご招待したく、ご連絡差し上げました。 詳細については、添付ファイルをご確認ください。 敬具」 最初は詐欺かと思った。 だが、添付されていたのは、本物としか思えない精巧な企画書と、僕の個人情報が正確に記載された招待状だった。 なぜ僕が?
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怖さを変えて作り直す

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