かいだんメーカー
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牛窓最強の天才プログラマー。
そう呼ばれていたのは、もうずいぶん前のことだ。
今はただのフリーター。
あの頃、僕が作った「かいだんメーカー」が、
まさかこんなことになるとは、思わなかった。
きっかけは、些細なことだった。
SNSで「恐ろしい話が聞きたい」という書き込みを見たんだ。
それで、テキスト生成AIの技術を応用して、
ランダムに怖い話を生成するプログラムを作った。
それが「かいだんメーカー」。
最初はみんな面白がってくれた。
友達同士で「この話、リアルすぎない?」とか
「〇〇(僕の名前)って、もしかして体験談を元にしてるの?」
なんて言われて、ちょっと得意になっていた。