カニの身
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大学のサークル仲間と、年に一度の「カニ食べ放題」に行った。
俺は、カニが苦手だった。
というより、カニを食べるという行為そのものが、どうにも肌に合わない。
あの、殻を剥く手間、そして何より、むき出しになった身の、あの異様なまでの「生々しさ」。
だが、皆が楽しみにしているイベントだったので、無理について行った。
会場は、街外れの大きなホテルだった。
バイキング形式で、ズワイガニ、タラバガニ、毛ガニと、種類も豊富だった。
俺は、カニから目を逸らすように、サラダや寿司、デザートばかりを取った。
友人たちが、歓声を上げながらカニに群がるのを、遠巻きに眺めていた。