じいじの甘い団子
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「キンタマじいじ、また来ちゃった」
週末、僕は一人で「じいじのいえ」を訪れた。
最近、じいじは物忘れがひどくて、時々、僕のことを「タマオ」って呼ぶ。
「お、来たか、タマオ。ほれ、この団子でも食え」
じいじは、いつものように僕に団子を勧めてくる。
でも、その団子、なんだか妙な光沢があって、手で触ると少しぬるりとしている。
「じいじ、これ、何で作ってるの?」
「ん? いつもの、あの、アレだよ、アレ。お前も好きだろ?」
じいじはニヤニヤしながら、団子を僕の口元に運んでくる。
断るのも悪い気がして、僕は小さく一口かじってみた。
甘いが、どこか土の匂いがするような、不思議な味がした。
「お前も、もうすぐ、じいじみたいになれるよ」
その言葉が、妙に耳にこびりついた。
じいじの顔が、なんだか歪んで見えた。
いや、気のせいだ。