深夜の海パン祭壇

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僕の近所の公園は、 最近妙な噂が絶えない。 深夜になると、中央の広場に 誰かが祭壇のようなものを造るらしい。 昼間は消えているんだが、 夜になると現れる。 しかも、その祭壇は、 誰かが履き古した海パンで飾られているという。 一体誰が、何のために? そんな話を、SNSで 「オパピィ信者」なる謎の集団が 関わっているのではないかと囁かれていた。 オパピィ?聞いたこともない。 週末の夜、好奇心に駆られて僕は公園に忍び込んだ。 街灯の明かりも届かない、闇に沈んだ公園。 遠くから、何かが蠢く気配がする。 耳を澄ますと、低い歌声のようなものが聞こえてきた。 それは、まるで祈りのようでもあり、呪文のようでもあった。 木々の隙間から覗くと、 広場の中央に、確かにそれらしきものが造られていた。 暗闇にぼんやりと浮かび上がる、無数の海パン。 赤、青、黄色、ストライプ、チェック… 柄も色もバラバラで、どれもこれも ひどく使い古されている。 その中央には、ひときわ大きく、汚れた白い海パンが置かれていた。 それを囲むように、数人の黒装束の影があった。 彼らは、その海パンに額ずき、何かを唱えている。 まさか、これが「オパピィ信者」? 恐怖と興奮で体が震える。 彼らの顔は見えない。 ただ、その異様な光景が、現実とは思えなかった。 彼らは、まるで儀式でも行っているかのようだ。 そして、彼らの一人が、ゆっくりと顔を上げた。 こちらに気づかれたか? いや、彼らの視線は、僕ではなく、 その真ん中に置かれた白い海パンに向けられている。 その時、事件は起きた
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怖さを変えて作り直す

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