鏡のメイド

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数年前、僕がまだ学生だった頃の話だ。 好奇心に駆られて、都内でも特に治安が悪いと噂される マッドシティ・アダ地区 の片隅にある、古びたアパートに一人暮らしを始めた。 家賃が格安だったのが一番の理由だけど、今思えば、あの地区に惹かれたのは、どこか退廃的な雰囲気に 『何か』 が潜んでいるような気がしたからかもしれない。
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怖さを変えて作り直す

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