サウナ室の白い塊

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熱波が続く夏。 僕の唯一の逃げ場所は、駅裏に新しくできた、あのフィンランド式サウナだけだった。 「ロウリュ、いかがなさいますか?」 入口で出迎えてくれるのは、いつも同じ女性スタッフだった。 黒髪、眼鏡、そして何よりも、その胸元が強調された、どこか奇妙なユニフォーム。 「いや、普通でいいです」 「かしこまりました。どうぞ、ごゆっくり」
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怖さを変えて作り直す

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