静かなる来訪者

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僕が初めて「ユーエフオー」と遭遇したのは、大学時代の夏、柳原高原でのキャンプの夜だった。 夜空には満天の星が輝き、都会では決して見られないほどの数の星が、まるで宝石のように散りばめられていた。 焚き火のパチパチという音だけが、静寂を破る唯一の音だった。 仲間とくだらない話で盛り上がっていた時、ふと、空の一点に奇妙な光を見つけた。 それは、星よりもずっと明るく、そして不自然なほどゆっくりと、しかし確実に移動していた。 「あれ、なんだ?」 仲間の誰かが呟いた。 私たちは皆、その光に釘付けになった。 それは次第に大きくなり、やがて、円盤状の、金属的な光沢を放つ物体であることがわかった。 音もなく、ただ静かに、それは私たちの頭上を横切っていった。 車一台が丸ごと入ってしまいそうなほどの巨大さだった。 恐怖よりも、得も言われぬ畏怖の念に襲われた。 あの物体が、いわゆる「うちゅ人」の乗り物だと確信した瞬間だった。 数分後、それはあっという間に夜空の彼方へと消えていった。 私たちはしばらくの間、呆然としていた。 あの夜の出来事は、私たちにとって、一生忘れられない強烈な体験となった。
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怖さを変えて作り直す