「トキワシティ B4」の呪い

1
最近、俺のスマホがおかしい。 いや、正確には「〇〇」という、ちょっとマイナーなゲームアプリが原因らしいんだ。 普段はそんなにプレイしないんだけど、なんか妙に起動しやすくて、気がつけばプレイしてる。 そのゲーム、キャラクターがポケモンに似てるんだよな。 なんというか、下痢便みたいな色合いのやつとかいる。 「お下劣光線」とかいう技名もあったりして、結構グロテスクな演出なんだ。 で、最近になって、ゲーム内のマップに「トキワシティ B4」って場所が出てきたんだ。 なんじゃこりゃ、って思ったんだけど、どうやら隠しエリアらしい。 でも、どうしてもそこに入れなくて、攻略サイトとか探しても情報が全然ない。 そんな時、ふと昔のゲーム雑誌を引っ張り出したら、隅っこに小さく載ってたんだ。 伝説のプログラマー、サトシ・ノムラ氏が開発した裏マップの存在。 彼は、ある日突然姿を消したんだけど、そのゲームに隠された秘密を、俺のスマホに刻み込んだんじゃないかって噂だった。 気になって、もう一度「トキワシティ B4」の入り口となる場所をタップしてみた。 そしたら、いつもは開かない扉が、カタカタと音を立てて開き始めたんだ。 中に入ると、そこはゲーム画面じゃなくて、なんだか薄暗い、コンクリートの通路だった。 湿った空気と、カビ臭さが鼻をつく。 スマホのライトを照らすと、壁には無数の落書き。 よく見ると、それは俺がスマホを触るたびに、ゲーム内で見ていた「お下劣光線」の奇妙な絵だった。 そして、通路の奥に、何か黒い塊のようなものが蠢いているのが見えた。 それは、ゲームに出てくる「下痢便ポケモン」にそっくりだった。 恐る恐る近づくと、その塊はゆっくりとこちらを向いた。 スマホが勝手に起動し、「お下劣光線」の技選択画面が表示される。 逃げ場はなかった。 画面に映る、見慣れた、しかし異常に生々しい技名。 俺は、震える指で「お下劣光線」を選んでしまった。

— あなたはどうする? —

怖さを変えて作り直す

新着の物語