請求書

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差出人不明の封筒がポストに入っていたのは、数日前のことだ。 厚手の紙に、見慣れないフォントで「重要書類在中」とだけ印字されている。 週末の昼下がり、コーヒーを片手に開けてみた。 中には、一枚の請求書。 しかし、それは公共料金や通販の請求書とは全く異質だった。 品目欄には「時間外労働」「緊急対応」「代償」とだけ書かれ、金額は驚くほど高額。 差出人の欄は空欄で、連絡先も一切ない。 奇妙な胸騒ぎがした。
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怖さを変えて作り直す

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