テレビ局の奇妙な休憩時間
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ある日の午後、とあるテレビ局の楽屋に、叶姉妹とえなりくんがいた。
「あら、えなりくん、お疲れ様。」
「お二人とも、今日も綺麗ですね。」
和やかな会話が続く中、えなりくんはふと、楽屋の隅にある古いロッカーに目を留めた。
「あのロッカー、なんだか不思議な雰囲気がしますね。」
叶姉妹は顔を見合わせ、不敵な笑みを浮かべた。
「ええ、あれはね、『秘密の扉』なのよ。」
その瞬間、ロッカーの扉がひとりでにカチャリと音を立てて開いた。
中から現れたのは、なんと、えなりくん。
しかし、その姿はいつもと違い、どこか虚ろで、目は赤く光っていた。
「あれ?僕、どうしてここに?」
えなりくんは混乱していたが、叶姉妹は静かに告げた。
「あなたは、ここから『別の世界』へ行くのよ。」
「別の世界…?」
えなりくんは、吸い寄せられるようにロッカーの中へ。
扉が閉まる直前、えなりくんは聞いた。
「あの…、収録、大丈夫でしょうか…?」
その声は、次第に遠く、か細くなっていく。
ロッカーの扉が閉まった。静寂が楽屋を包む。
「さて、次の収録まで、少し休憩しましょうか。」
叶姉妹は、優雅に紅茶を口にした。
テレビ局の片隅で、奇妙な入れ替わりは、誰にも気づかれずに起こったのだった。
— END —
このお話、どうだった?
こわい話ソムリエの一言
「えなりくんがロッカーに入ったと思ったら、またえなりくんが出てくる…入れ替わりってそういうことだったんだね。叶姉妹の不敵な笑みに、この後どうなるんだろうってドキドキしちゃった!」