屋台村の残響

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大学時代の友人、ドネルケバブ齋藤とピンチョス西村と久しぶりに再会した。 場所は、最近できたという屋台村「カルパスオスピス」。 色とりどりの屋台が軒を連ね、賑やかな音楽と香ばしい匂いが漂っていた。 我々は奥の方にある、一番空いているケバブの店に入った。 「いやー、久しぶりだな!」 齋藤がビールを呷る。 「ほんとだよ。なんか、お互い変わったな」 西村も笑った。 確かに、昔はもっとギラギラしていたのに、今は妙に落ち着いて見える。 俺もだ。 こうして三人で飲んでいると、昔話に花が咲いた。 学生時代、よく三人で肝試しに行ったこと。 深夜のコンビニで語り明かしたこと。 あの頃は、怖いものなんて何一つなかったように思えた。
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怖さを変えて作り直す