監視カメラの「幸福度」

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「倫理合格キチガイボーイ」 そのニックネームは、俺が大学のサークルでつけたものだ。 本名は伏せるが、彼は本当に「倫理」という言葉を、合格通知のように扱っていた。 成績優秀で、大学が設ける倫理審査をパスしたプロジェクトばかりを立ち上げていたからだ。 どれもこれも、既存の枠組みを少しだけずらしたような、 一見無害だが背筋が寒くなるようなものばかりだった。
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怖さを変えて作り直す

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