ぽっぽっぽーおじさん

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公園のベンチに座り、スマホを眺めていると。 どこからともなく、 「ぽっぽっぽー」 という、奇妙な鳴き声が聞こえてきた。 最初は鳥かと思った。 だが、あまりにも人間じみた、 いや、人間が真似しているような、不気味な響きだった。 顔を上げると、数メートル先に、 年配の男性が立っている。 Tシャツには「ぽっぽっぽーおじさん」と、 手書きで書かれたワッペンが縫い付けられていた。 彼はこちらに気づくと、 ニコリともせず、 ただじっとこちらを見つめている。 そして、また「ぽっぽっぽー」と鳴いた。 その声には、かすかに嘲りが含まれているような気がした。
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怖さを変えて作り直す

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