古時計が告げる、太古への誘い

1
僕の部屋の片隅に、いつからか奇妙な古時計が置かれている。 親から譲り受けたものらしいが、時刻は狂いまくりで、カチコチという音すらしない。 ただ、たまに、説明のつかないタイミングで、不意にカラン、と鐘が鳴るんだ。 それがまた、妙に心地よい響きで、聞いていると眠気を誘う。 この時計、確か「ジュラシックシティ」っていう、今はなきテーマパークのお土産だったような気がする。 家族旅行で行った記憶は断片的しかないけど、妙にリアルな恐竜の模型と、薄暗い地下通路が印象に残っている。
1 / 3

怖さを変えて作り直す

新着の物語