ホイアンの消毒

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大学卒業後、私はバックパッカーとしてベトナムを旅していた。 ホイアンの旧市街で、私は数日滞在していた。 その町は、古びた建物とランタンの灯りが美しく、どこかノスタルジックな雰囲気を醸し出していた。 ある晩、宿で休んでいると、窓の外から奇妙な音が聞こえてきた。 最初は風の音かと思ったが、徐々にそれは単調な、しかし不規則なリズムを刻む音へと変わっていった。 まるで、誰かが金属製の棒で地面を叩いているような音。 気になって窓の外を覗いたが、暗闇に包まれた路地には何も見えなかった。
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怖さを変えて作り直す